仮面ライダー大戦ネタバレ感想 前編
※ネタバレ中心につき閲覧注意。
公開初日の先週3月29日に仮面ライダー大戦見に行ってきました。
結構面白かったのですが、一番期待していた、と言うよりこの映画の主題である昭和ライダー対平成ライダーという要素が話の邪魔をしているという予想外の結果に驚かされました。
面白かったのは、この対決の要素以外の所。
言うなら「オールライダー対バダン」というお話においては、ファンの見たい要素を押さえた良いファン映画になっていたと思います。
過去作において主役を演じた懐かしい顔ぶれは、変わらぬキャラクターを演じてくれていたし、平成と昭和の世代を超えた交流を経て、若者が道を道を見出すといったお約束もありました。
悪の組織に利用されようとする少年と、その儚い願いを叶える為に必死に立ちまわる主人公たち、その結末に語られる家族愛の形。
ベタのベタ押しでもきちんと描かれている分にはやはりいいものです。
ツッコミ所のないわけではなく、ご都合主義的な展開や、人物や状況に説明不足な所も随所にありましたが、特撮ものにおいてはそれはそういうものとして、あまりマイナスになるものではないです。
とりあえず、各キャラクター達の動向に触れつつ、感想書いてみたいと思います。
・門矢士
対バダンというストーリーにおいては主人公は、門矢士でした。毎度のように世界に呼ばれたようで、登場して以降は負傷退場した葛葉紘汰にかわり、ストーリーを引っ張る役割でした。
主人公ライダーが会する映画だからか、カメンライド能力は控えめに、ディケイドの能力メインで闘ってたように思います。
キャラ的にも立ち回り的にも、いかにも門矢士ぶりが発揮されていました。
気になった点としては、こちらもセットとしてか登場してきた鳴滝に、死に場所を探す旅をしている云々と言われてたんですが、さて、そんな設定出てきたことありましたっけ?
・左翔太郎
闘いの協力者兼、物語の鍵になる少年を素性を語る役割として登場。
ライダーとしての共演は多いものの、中の人同士で顔を合わせているシーンは過去になかったような気がしますが、一応門矢士とは既に顔見知りといった感じで会話をしてました。
ハーフボイルド表現が全面に出されている感じでしたが、懐かしいいつものノリでした。
性格はTVの物を忠実に継承しているようでしたが、会話の中で、一度もフィリップの事に触れなかったり、闘いに際して、迷いなくジョーカーへの変身を選択してる所を見ると、もしかするとフィリップがいない世界の翔太郎だったのかとも思えます。
一言登場はしないがいるということに触れて欲しかったように思いました。まあ、後にWは出てくるので、単に語らなかっただけかもしれませんが。
・乾巧
今作において準主役といえるほど印象に残る役割を演じていました。
単純にゲスト参戦者の一人と思っていたんでかなり意外でした。
物語そのものに大きく絡むことはないのですが、平成と昭和の世代の交流という役割を一手に担っていましたね。
性格や人間関係は同じものの、TV版とは明確に違う世界のキャラクターでした。
TV版とは違い、カイザ・草加雅人に目の前で(恨み言をたっぷり聞かされながら)死なれており、助けられなかったことや、自分が生き残り草加が死んだことに対して釈然としない思いを抱えていて、ライダーの闘いの運命に嫌気が差し、門矢士の協力要請を拒み旅に出てしまいました。
旅先でひょんなことから神敬介という人物と出会い、彼との交流を経て、自分の中の迷いの気持ちに折り合いをつけるというお話が展開していきます。
この辺、ストーリーの持っていき方はかなり強引でご都合主義的ではあるんですが、やっぱり、いいお話ではあるんですよね。
平成と昭和の世代を隔てた二人の戦士が出会い(共に4号ですね)生き方に迷う若者が先達の生き方に触れることで道を見つけるという展開。
お約束ですけど、こういうのこそ、見たかったお話だし、昭和と平成という世代の違う仮面ライダーが会する映画においてあってほしいシナリオでした。
まあ、本来なら現行の主役である鎧武と、元祖ライダーである1号の間であるべき交流のような気もしますが、久しぶりにみる乾巧がたっぷり活躍してくれたのは嬉しかったので、文句はありません。
こういうTV原作の設定を少し変えることで、過去作のキャラクターをストーリー上で活かすというやり方は面白くていいですね。
今後、数年前の過去作との共演をするタイプのライダー映画では、こういう手法でストーリーに深く絡ませていくというようなやり方をやってほしいです。
あと久方ぶりに見る草加雅人。村上氏が今演じている役のせいだと思いますが、チリッチリのパーマがかかってて、その髪型で草加の演技を熱演されると、ものすごいネタ度の高い絵になってましたね。見応えはありましたが。
総評として乾巧パートは実に面白かったといえます。
しかしのその最後において、乾巧がファイズと知った神敬介がXライダーとなって急に襲い掛かってくるという展開になってきます。
乾巧も見ている側も、なんでそんなことになるのかさっぱりわからないし、立派な大人として描かれていた神敬介が急に悪人にでもなってしまったような不可解な感じとなって終わってしまいました。
結果として、昭和VS平成という前提ありきのせいで、後味の変な結末になってしまっていたのが残念でしたね。
まだまだ色々あるんですが、長くなってしまったので続きはまた後日。