仮面ライダーウィザード 最終話 終わらない物語 感想
いやー、後半の対怪人バトルの内容の濃さは圧巻でしたね。
まさに映画級でした。
15連ライダーキックはひでえなあ。
むしろ、途中で爆発しなかったのは偉かったというべきでしょうか。
なにげにでしたが、ブレイドキングフォームがライダーキックしてるの初めて見ました。
前半部、場面の転換が激しくて、話をだいぶ飛ばしてるんじゃないかという印象でしたが、その分バトルに尺をとったと解釈して良しとしましょう。
ただ、世界観に関してもう少し言及が必要だったなとは思いますね。
あの世界の住人が全員怪人だとして、世界が破壊されてしまっては、外の世界は大惨事という理屈になってましたが、そうなるか?
凛子の説教に怪人化を解いてみせたりするなどを、怪人という種族なだけで、一般的な理性と知性は持っているような見えました。
少なくとも自分の世界を守ろうとする良識はあるようで、外の世界に放たれたら即暴徒という展開には、もう一設定いるんじゃないかと思いました。(この世界の中でしか理性が保てないとか)
まあ、あの世界の怪人たちが理性ある人間であったと考えると余計ライダー側の活躍が大虐殺ということになって後味は悪くなりますが。
ディケイドでもありましたね。
キバの世界で襲われてる人間を助けて怪人を撃破してみたら、実はそちらが治安を維持している側で取り返しつかねえや、でもお咎め無しみたいな後味の悪さ。
話的によくわからなかったのはアマダムの周りくどい立ち回り。
アマダムの目的は世界の破壊で、子晴人にそれを実行させようとしていた。どうやらアマダム自身は世界を破壊するため力が使えないので、住人である子晴人自身の力で世界をこじ開ける必要があった。という設定のように見えました。
明確な説明はされてないから推測ですが、自分で世界が破壊できるならわざわざ子晴人を巻き込む必要がないのでそういうことではないかと想像します。
となると最初に「子晴人は世界を壊す悪者だ」と喧伝して回ったのは何の為か。
あそこで派手な騒ぎにしなけりゃ、ライダーリングの盗難に世界が気づかないままに子晴人は自分の望みのままに世界を破壊していたように思うのですが。
結局はそれがウィザードをあの世界に呼ぶことになったのだから、まったくもって最悪かつ意味のないの一手だったなと思います。
掘り下げればまだまだ出てくる気はしますが、話自体はやっぱいい加減ですね。
その場その場が盛り上げればいいという手法は特撮では往々にありますが、あんまり好きではない見せ方です。
個人的に仮面ライダーの力の源をクロス・オブ・ファイヤーと呼んでいた所にニヤリとさせられました。
クロス・オブ・ファイヤー、転じて、クロスファイヤーとは、スカルマンと並んで初代仮面ライダーの番組原案に付けられていたヒーローの名前。
後に石ノ森御大が作品化したスカルマンとは違ってこちらは、デザイン案は残るものの単体作品としては、成立していない不遇の作品です。
それが時を経て、こんな素敵な設定でその名を聞くことになるとは思いもしませんでした。
初代から続く「仮面ライダー」という作品に対するリスペクトあってこそ出てくる名前だと思いました。
余談ですが、村枝賢一の仮面ライダーSPIRITSにおける、仮面ライダー達の協力組織SPIRITS分隊の戦闘服はこのクロスファイヤーのデザイン案を元としています。
滝和也の髑髏の仮面の戦闘服はスカルマン、SPIRITS分隊はクロスファイアー。
仮面ライダーSPIRITSのなかで、人の身で仮面ライダーになろうとする者達に、この姿をさせていることは、番組企画の変遷になぞらえたオマージュなのでしょうね。
気がついた時は、その深い意味合いに感心させられました。
そしてやっぱり門矢士のお説教タイムは良かったですね。
期待感の上げ方が半端ない。
全体的に右往左往していた感の晴人より、よほど目立っていたように感じます。
むしろ門矢士を主人公して話を仕切らせたほうが面白かったんじゃないかと思うぐらいですが、まあそこは大人の事情ですね。
中の人は「もしかしたら、これで士は見納めかもな、、、」と語ってますが、できれば20年期の主人公に当たるライダーに役割を譲るまでは頑張って欲しい所です。
正直前半を見た時はどうかなと思うところがありましたが、後半の出来はその不安を見事に打ち壊す爽快な出来でした。
仮面ライダーとはというテーマを示した内容であり、鎧武に繋がる良いプロローグになったのではないでしょうか。
Movie大戦の予告も盛り上げてくれますね。
黒コヨミが白魔になって復活とかどう転んでも燃える展開です。
鎧武は本編がまだ始まってないので映像にどういう意味があるのかわかりませんが、公開までには段々と盛り上がっていくことと期待しています。
鎧武本編を楽しみつつ、Movie大戦公開を待ちたいと思います。
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