ドット絵講座を受講してみた。
ドットバッドエンドプリキュアを描こうZ
格ゲーのドット絵制作を長く続けている身としては、新たに制作を目指す人に向けて、参考になるような講釈の一つも垂れてみたいと常々思うのですが、実際やってみると作画の際のちょっとしたコツ以上のことは言えることがないものです。 個人的な結論としては、格闘ゲームのアクション作画を上達するには人体デッサンの修練に尽きるということしかありません。 ただ、桝久堂に大して言えることはないにしても、ドット絵講座とググれば一家言ある人の立ち上げた多くのサイトが出てきますし、それらを参考に、ドット絵のコツを掴みたいと考える人は多いことと思います。 そこで、未だ講座を参考に腕を磨く立場である所の桝久堂自身が、それらの講座サイトの内容を参考にどんな絵が描ける内容なのかを検証してみる企画をやってみたいと思います。 対象は、格闘ゲームに流用できそうな大きめのキャラ作画の講座とし、実際その内容を元にキャラを描いてみます。 描くキャラクターは、男性系なら仮面ライダー、女性系ならプリキュアを対象とする。 描く過程で気が付いたこと、講座内などでは解説されてないことなどあれば補完していく。 と言った感じで、基本的にはおすすめ作画講座紹介とそれによって描けるドット絵の知ってもらいような意味合いを持たせたいと思います。 では、今回はその第一回ということで、参考とするサイトはドット絵描こうZさん ドット絵の描き方サイトとしては、かなり有名な所ですし、自分も色々と参考にさせてもらっています。 中に、第47『ドットバッドエンドプリキュアを描こうZ』という実にテーマ向きな内容があったので取り上げさせてもらおうと思いました。 で、その講座を元に描く対象として選んだのはこちら。 プリキュア5よりダームドリームです。 講座内で描かれているバッドエンドプリキュアとは全く同質かつ先輩に当たる存在で、まさに対比として描くにはぴったりな存在と言えます。 事を思いついた最初には講座元に倣ってダークプリキュア5全員を並べた絵を描いてやろうかいと思ったのですがダークドリームだけで思った以上に時間を喰ってしまったんで断念。 まあ、仕上がりイメージのサンプルとして見てもらう分には十分かと思います。 では、実際の講座内容に習い作画をしていきます。 第47『ドットバッドエンドプリキュアを描こうZ』のページと並べながら見てもらいたいですね。 今回対象としたバットエンドハッピーとダームドリームはほとんど同系統のカラーリングであったことから、パレットデータは同じものをそのまま流用させてもらいました。 同じ色と塗り方で別のキャラクターを描いてみます。 パレットデータを見た感想としては、 グラデーションの置き方がうちとは逆で明るい色から暗い色の並びになってますね。 なんか意図があるのかもしれませんがわかりません。 作画1.シルエットを描く この時点でバランスまでしっかり描くこととありますね。 自分は割にこの段階はいい加減で、ざっくり描いて途中でバランスを整えたりするんですが、とりあえず今回はテキストに従ってこの段階でシルエットをしっかり描いておきます。 実際、お手本のバットエンドハッピーはこの後の書き込みの段階になってもシルエット自体のバランス修正はされていませんでした。 シルエットのバランスそのものはこの段階で完成されているということですね。 こちらはそううまくもいかなかったのでちょくちょくと修正を入れていきました。 スーツの描き込み バットエンドハッピーに比べるとダームドリームは肌の露出部分が多いという違いがありました。 顔、髪、服飾の描き込み ダークドリームはほぼ体のラインそのままの服ですが参考元のバットエンドハッピーを見ていただくと、腰の部分にスカートと袖先を描き足して下絵を潰してますね。 特に言及もされてないので元絵はおそらく一枚絵の上に直接書き足したものと思いますが、初心者の場合はこういう時は無理せずレイヤーを分けて、下絵を消さないように描いたほうがいいと思います。 うちのプリキュア絵での解説ですが、シルエットの上位に来るパーツ(スカートや飾り)などは上のレイヤーに重ねて下絵を消さないようにしておきます。 初心者は特にシルエットなどが狂いやすいので、後々修正をしたくなった時、書き足したパーツの上からシルエットの狂いを直すのはまあまず無理な話です。 シルエットの狂いが最初から出ない、或いは上からパーツを描き足しても体全体のラインを見失わないような上級者でない場合は無理せずツールの機能に頼ったほうが無難と思います。
髪の描き込み 参考元のバットエンドハッピーをは体に比して髪の面積が大きくグラデーションを付けることでグッと陰影が引き立っていますが、比率が少ないダークドリームではあまり変化が目立ちませんね。 仕上げ・アクセサリーの描き込み、各パーツにハイライト 胸に蝶々のデコル書き込み。 これも無理せずレイヤーを重ねて上に描くのが無難です。 最後に各パーツに一番明るい色で光沢を入れて完成です。 総括 同系のキャラクター、同系のカラーリングということで同じパレットを使って同じように描けば近い感じに描けるかと思ってましたが、思うようには行きませんでした。 同じ感じに見えてバットエンドハッピーとダークドリームでは目立つ特徴に違いがありました。 バットエンドハッピーは、巨大なお団子の繋がりのような髪のボリュームが面積も大きく一番目立っていて、使われている色数も一番多く5色。 対してダークドリームは髪自体の起伏が多く、広い面積はありません。 代わりに臍、太もも、顔など肌の露出面積が多く、ここが一番目立つパーツでした。 バットエンドハッピーの肌露出は顔のみで、使用色は4色。 顔ぐらいの面積だけならこれで十分ですが、ダークドリームは腹や太ももといった顔より広く平らな面積のパーツがあるので、肌色5色ぐらいの配色が適当だったように思います。 そういった感想を含めて、今回受講したドット絵講座のオススメ度を考えてみました。 格闘ゲーム向き度 ★★☆☆☆ まあ、これに関してはチョイスした段階からわかっていたことなんで、いまさら何をか言わんやなんですが、この絵のサイズは格闘ゲームの標準的なサイズに比べると大きいです。 鎧武と比較するとこれこの通り ゲーム作品の描き方よってキャラクターのサイズは多少変動するので、MUGENの世界ではよく見比べれば身長比率のおかしい組み合わせも出てくるもんですが、頭2つ分違うとなると誤差の範囲は大きく超えて目立つものになってしまします。 一応可憐な少女という設定からは逸脱した雰囲気ですね。 ただこのサイズになると、顔の表情まではっきりと描き込めるサイズなので、女性キャラを描く上においては+評価になる所かもしれません。 まあ、もとよりMUGENの世界は頭身も大きさもバラバラのキャラが溢れているので気にならないという人にとっては、もう一星足してもいいかもしれません。 初心者向き度 ★★★☆☆ ある程度ドット絵作画になれた人なら、ページに掲載されている過程の絵からどういう作業をしているものか読みとくことはできると思います。 ただ、全くの素人が見て同じ工程を真似られるとかというと難しいですね。 基礎を踏まえてレベルアップを目指す人向きと言えるかもしれません。 仕上がる絵の綺麗さ ★★★★☆ パーツごとに均等に色をもたせるのではなく、目立つパーツには色数を多く振り分け目立たない部分には少なくしています。 中間色は置かず、アニメのセル塗りのようなきっぱりとした塗り分け方なので、アニメキャラ向きでもあるでしょうか。見栄えのする絵に仕上がる塗り方だと思います。 今回は格闘ゲームに使えそうなキャラ絵というチョイスで選ばせてもらった講座回でしたが、こちらのサイトはドット絵作画全般に対して、それこそ大きなものから小さなものまで様々な作画技術を紹介されているサイトなのでドット絵を描く人なら一度見ておく事をオススメします。 興味のある講座もあることと思います。 直接的に格闘ゲームの為の講座はありませんが、格闘アニメに流用できそうなアクションアニメの描き方なども紹介されているので、いずれそちらの講座も受けてみてこちらで紹介してみたいですね。