スーパーヒーロー大戦Zを見てきました。

2013年5月20日

 ネタばれ感想につき、後半隠しにしておきます。

 ちょいと時間が空いてしまいましたが…
 ゴールデンウィークの休みを利用して、スーパーヒーロー大戦Z見てきました。
 前作はお話がヒドイというのが一番の感想でしたが、流石に今回は、見やすく纏まってました。
 作品同士のクロスオーバー感も増していたように思うし、お祭り映画としては、無難な出来に仕上がっていたと思います。
 相変わらずの宇宙刑事押しというのはあったなという気がしますが、活躍の場が劇場にしかない以上はやむなしというところでしょうか。
 ただまあ、どうなのと思う所がないわけでもなく…

 以下は内容のネタバレにつき、閲覧注意。

 個人的にどうにも釈然としないものが残ったのは、初代ギャバン、一条寺烈の扱いについて。
 今回彼の配役は、宇宙刑事達を統括する役職で、銀河連邦警察の指令を実行する立場。
 宇宙全体を守るためという名目の元、苦悩しつつも地球の破壊を遂行しようとして、地球を犠牲にすることを認めようとない宇宙刑事達と対立することになります。
 こういう組織内での立場や価値観による対立というのは、テンプレートとしてありだと思うのですが、一条寺烈に組織人側の役割をやらせたことがどうにもしっくりきません。
 ヒーローものにおいての正義は犠牲を容認しない側であって、一条寺烈のキャラクター的には、ヒーロー側に立つイメージがあるからです。
 
 かつてのヒーローも現場を離れて30年。出世と年齢を重ねてかつての正義はなくしましたというなら、悲しい話ながら、まあ、ある話ですが、ゴーカイジャーと共演した2年前まで、バリバリの現場捜査官として活躍してたのが確認されてますから、それを踏まえて見ると、出世して急に人が変わってしまったというように思えました。

 そういや、宇宙刑事左遷説というのがありましてね。

 碌な物的人的支援もない状態で辺境の惑星に派遣され犯罪組織と、一人で闘うことを強いられる宇宙刑事は銀河連邦警察の左遷部署なのではないかという笑い話です。
 まあ、実際そういう境遇ですので、不遇なのには違いないわけで、ゴーカイ映画での活躍をみるに、どうやらそんな不遇の現場捜査官を30年続けていた様子。
 子供の頃の目線では孤高に闘うヒーローでも、大人になった今の視点でみると、今だにヒラの捜査官という境遇には、活躍が報われていないような寂しさを感じたものでした。

 今回、若い宇宙刑事達を指揮する立場ということで、ようやく実績に見合った地位に立てたかと思えばこの扱い。
 熱い心に燃えていたかつてのヒーローも、老いて組織の責任を背負わされてしまえば、あまっちょろい理想など忘れてしまうものだとでもいうようで、悲しいくなりました。
 ああいう立場を演じさせるにしても、もう少し見せようやらフォローの仕方はなかったものかと思います。

 そういう意味では、つい先日、ギャバンの上司コム長官を演じられていた西沢利明氏が亡くなられたことが影響してしまった配役とも言えるかもしれません。
 新ギャバンの映画版でもTVシリーズに続き、同じ役職で登場されてましたから、ご不幸がなければ設定的に、本作で一条寺烈が演じた立場は彼に振られることになっていたと思われます。
 コム長官だったら、最初から組織の理念で動くという立場の人だから、こういった憎まれ役ともおもえるを行動をとることにも納得もいくから適役だったのですが。

 個人的には鑑賞中、撃がウィザード討伐を頑としてはねつけた時、じゃあ俺が変わりに行く、とか言いださないかなと期待してたんですが、そんなこともなかったですね。

 ほかに感想として思ったのは、ショッカー側の首領としてシャドームーンを配役したことは評価したいです。
 正確に言えば間違ってるんですが、作品を超えた全ヒーロー規模でボスを演じられる格といえば彼しかないなという気もします。
 まー結末としては、既存のヒーロー相手には圧倒的に強いが、売り出し中の新人相手には滅法弱いという、変なジンクスの重ね掛けになってしまいましたが、最後のセリフを聞くに、また登板の意思を感じるものでしたので今後に期待したい所です。

 後、本当に無駄に豪華なメタルヒーローキーのゴーカイガレオンバスター。
 前作でのオーズを見ても思いましたが、だから少し闘えよと。
 過去の戦隊の姿を借りて戦うシーンあってこそゴーカイチェンジの面白さじゃないですか。ヒーロー達固有の技やアクションを蘇らせて闘うからこそ思い出を持つものに、訴える感動があるというのに、変身して大砲ぶっ放すだけでは、なんの爽快感もありません。
 今回、ゴーカイジャーは参加してる中の人が限られてたから、技名を叫んだりする戦闘シーンがない方が都合がよかったのかとも思われますが、やっぱりメタルヒーロー達にゴーカイチェンジするという夢のような展開の後、実質それで目新しい事を何もしないという落胆の差は酷かったです。
 戦闘シーンは、尺の関係で削られたものか、ハナからないのかわかりませんが、追加撮影でもして、ディレクターズカット版とか出す際には盛りこんで欲しいものです。

 しかしこれで、ゴーカイジャーは公式に、戦隊・ライダー・メタルヒーローすべてに変身できるキャラということになったわけですね。
 ディケイドすら到達していない破格の設定といえます。
 うちの一ヶ月更新のキャラとしては、ディケイド1号よりもコンセプトに適したヒーローになってしまったなという気がしてちょっと複雑です。
 
 まあ、色々言う点はあるにしろ、このお祭り映画のコンセプトは楽しいものです。
 きちんと話が造れれば、設定のゴタゴタに惑わされず面白いものになるというのも確認できました。
 本編最後にキカイダーが顔見せする一幕があり、次回作への展望を感じさせる終わりとなっていました。
 個人的には全戦隊・全ライダーとなると絵面ややこしすぎるので、ある程度現行ヒーロー選抜した上で、別作品同士のクロスオーバーを行う映画のシリーズになっていってくれればいいなと思っています。


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Posted by maskedo